外壁塗装に使われる塗料の中でも、ウレタン塗料は少し前までメインで使われていました。
しかし最近では、より高機能なシリコン塗料の価格が下がってきたため、メインはシリコン塗料に移り変わってきています。

ただ、今ではウレタン塗料が時代遅れかというとそんなこともありません。
ちょっと前まで外壁塗装にメインで使われていた塗料なので、特性を理解していれば現役で活躍することも可能な塗料となっています。

ここでは、ウレタン塗料のメリットやデメリット、採用する際の注意点などを紹介していきましょう。

画像:塗装している男性

目次

ウレタン塗料の特徴

ウレタン塗料は、ポリウレタンという樹脂が主成分の塗料です。
価格が安く高い密着性を持っていることから、自動車部品や家具の仕上げなど幅広い用途で使われています。

外壁塗装に使われる塗料の中ではアクリル塗料の次にグレードが低い塗料で、価格が安い分耐久性がイマイチな塗料となっています。
最近の外壁塗装で主流となっているシリコン塗料と比較すると、7割程度の耐久性しかありませんね。

ウレタン塗料の中には、アクリルウレタン樹脂と記載されている塗料も存在します。
この塗料はグレードの低いアクリル塗料ではなく、れっきとしたウレタン塗料です。

たまに見積もりに「アクリルウレタン」と記載されることがありますが、安価なアクリル塗料ではないので安心してください。

ウレタン塗料のメリット

ウレタン塗料は、少し前まで外壁塗装にメインで使われていた塗料です。
そのため、外壁塗装に適したメリットが色々とあります。

ここでは、ウレタン塗料を外壁塗装に使うメリットをいくつか紹介していきましょう。

塗膜が柔らかく弾性が高い

ウレタン塗料の塗膜には、柔らかく弾性が高いという特徴があります。
塗膜が固くならず、ゴムのような伸縮性も持つので、非常にひび割れに強い塗料なのです。
シリコン塗料は塗膜が固くなるので、ひび割れに強いという面ではウレタン塗料の方が有利になります。

この特徴のおかげで、揺れが激しい立地の家でも塗装のひび割れを防ぐことができます。
線路の近くや幹線道路沿いの家は、細かい振動に家がさらされがちです。
そんな立地の家でも、ウレタン塗料なら、塗装のひび割れの心配がありません。

ただし、あまりに強い振動には耐えられませんので、振動の具合は塗装業者に判断してもらってください。

密着性が高い

ウレタン塗料の柔らかい塗膜は、密着性を高めることにも役に立っています。
下地にしっかりと塗料が付着するため、複雑な構造の場所の塗装には特に向いています。
これも、シリコン塗料より優れている点ですね。

たとえば、雨どいなどの付帯部分のパーツが組み合わさる場所とは非常に相性がいいです。
外壁の付帯部を塗装する塗料としては、最も適している塗料ということができるでしょう。

価格が比較的安価

シリコン塗料が安くなってきているとは言え、まだまだウレタン塗料の方が価格は安いです。
ウレタン塗料の価格は、シリコン塗料の6割~8割程度が相場となっています。

値段が安い分耐久性は劣りますが、劣化する前に塗り替えるなら問題はありません。
家の見た目にこだわり、イメージチェンジを頻繁に行いたいなら、安いウレタン塗料を使った方が一度の工事費用を抑えることができます。

ただし、塗り替えの頻度が多くなるので、長い目で見るとコストパフォーマンスが高いとは言えません

ウレタン塗料のデメリット

一昔前までは、ウレタン塗料が外壁塗装の主流でしたが、今では使われることが少なくなってきています。
これは、シリコン塗料の方が優れているからです。

では、どのような点でウレタン塗料はシリコン塗料に劣るのでしょう。
ここからは、ウレタン塗料の持つデメリットを見ていきましょう。

耐用年数がイマイチ

ウレタン塗料の耐用年数は、6~10年と言われています。
10年以上持つといわれるシリコン塗料と比べると、耐久力はイマイチといわざるを得ません。

耐久力が低いということは、それだけ塗装する回数が増えるということです。
外壁塗装にかかる費用は、半分以上が足場代や人件費のため、塗装の回数が増えれば増えるほど費用はかさんでしまいます。
コストパフォーマンスの悪さが、シリコン塗料にメインの座を奪われた大きな要因のひとつです。

光沢が長持ちしない

ウレタン塗料は比較的紫外線に弱いので、シリコン塗料と比べると光沢が長持ちしません。
塗りたての段階では光沢があり、非常に美しい仕上がりになるのですが、塗り替えの時期までその外見を維持することが難しいのです。

もちろん1年で色あせるようなことはありませんが、光沢が長持ちしないのはあまりよろしくありません。

またウレタン塗料は、紫外線により塗装が黄色く変色する「黄変」が起こりやすい塗料となっています。
「黄変」は硬化剤の配合ミスによっても引き起こされるので、確かな技術を持つ塗装業者へ施行を依頼することが不可欠といえるでしょう。

ただ、最近では黄変しにくい塗料も開発されているので、採用を検討してみてもいいかと思います。

湿度に弱い

ウレタン塗料は水分に弱く、湿度が高い環境では使用することができません。
どの塗料にも言えることなのですが、特にウレタン塗料は湿度が高い状態で作業を進めると、塗料に水分が付着して性能が落ちてしまいます。
湿度が高くなりがちな夏場などは、取り扱いに細心の注意が必要となります。

もちろん、乾燥してしまえば湿度に弱いということはありません。
外壁塗装に必要な機能は備えているので、その点は安心してください。

2液型で扱いが難しい

外壁塗装に使われるウレタン塗料は、硬化剤を混ぜて使う2液型のものが主流となっています。
2液型の塗料は、規定の比率で配合しないと硬化不良を起こすため、扱いにはそれなりの技術力が必要です。
職人さんが扱うには問題ないでしょうが、素人ではなかなか使うのが難しい塗料といえるでしょう。

最近では、簡単に扱える1液型の塗料も登場していますが、耐久力という面では2液型の塗料に劣ります。
ただでさえウレタン塗料は耐久性が劣るので、1液型のタイプでは外壁塗装に適しているとはいえないのです。

ウレタン塗料を選択するべきシチュエーション

写真:塗料

性能面ではシリコン塗料に劣るウレタン塗料ですが、立地条件や環境によってはウレタン塗料を選択する方がいい場面もあります。
ここからは、ウレタン塗料を選ぶべきシチュエーションを紹介していきましょう。

振動などによりひび割れが懸念される場合

幹線道路沿いの家や線路沿いの家では、振動により塗装にひびが入ることが懸念されます。
このような立地に建つ家の場合は、ひびの入りにくいウレタン塗料のほうが適していると言えるでしょう。

シリコン塗料の弱点は、塗膜が固くひび割れを起こしやすいことにあります。
たとえ小さな振動でも、長期間さらされることでひび割れる可能性はかなり高いのです。

それから、木材のような湿度や温度により、膨張と収縮を繰り返す素材の塗装にもウレタン塗料は向いています。
膨張と収縮を繰り返すなら、振動と同じくひび割れのリスクが高まりますからね。

ひび割れのリスクが高い立地や素材の場合は、シリコン塗料よりウレタン塗料が向いているということです。

それほど耐久性が必要ない場合

10年以内に再塗装を予定している場合や、10年以内に建て替える予定の物件なら、10年以上持つシリコン塗料を使う必要がないでしょう。
物件を使う期間だけ塗装が持てばいいので、日程に合わせた塗料を選択すれば十分です。

あまり一般的なケースとは言えませんが、一度の塗装費用だけを比較するなら、ウレタン塗料の方が安く抑えることができます。

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外壁塗装にウレタン塗料を使う場合の注意点

外壁塗装にウレタン塗料を採用する場合、それなりにデメリットもあります。
デメリットを正しく理解していないと、外壁塗装のリフォームを行って後悔することになりかねません。
そこでここでここからは、外壁塗装にウレタン塗料を採用する場合の注意点をまとめてみました。

外壁塗装の頻度が多くなる

ウレタン塗料は耐久性の面でシリコン塗料に劣るので、どうしても外壁塗装のリフォーム頻度が多くなってしまいます。
外壁塗装のリフォームにかかる費用は半分以上が足場代や人件費のため、塗装頻度が増えるほどコストパフォーマンスは悪くなってしまいます。

そのため、できるだけ外壁塗装にお金をかけたくない方にとっては、あまり向いていない塗料となっています。
逆に、ある程度お金をかけてでも、数年で家を塗り替えてイメージチェンジしたいという方にとっては、バランスのいい塗料ということができるでしょう。

屋根に使用するには耐久性が不安

屋根は、外壁以上に塗装の耐久力が求められる部分になります。
太陽光が一日中当たり紫外線にさらされる上、雨も直撃しますからね。

そんな苛酷な環境にさらされる屋根ですから、塗装も外壁よりダメージを受けます。
そのため、より耐久性の高い塗料を使用する必要があるのです。

外壁塗装のリフォームを実施する際には足場を組むため、一緒に屋根の塗装まで行った方が安上がりです
一緒に塗装するには、耐久性が落ちる時期をあわせなくてはなりません。
なので、外壁よりも耐久性の高い塗料が屋根には必要なのです。

付帯部分だけに使わないよう注意

ウレタン塗料は密着性が高く、付帯部分の塗装には最適な塗料です。
しかし、付帯部分だけウレタン塗料を使ってしまうと、後々不具合が出るので注意が必要です。

外壁はシリコン塗装、付帯部分はウレタン塗装というように、塗料の種類を分けてしまうと、耐用年数に違いが出てしまいます。
ウレタン塗料の部分は早く劣化するので、早めに塗装しなければならない事態に陥る可能性が高くなるのです。

外壁塗装は、基本的に外壁も付帯部分も一度に塗装するものです。
ウレタン塗料の耐用年数に合わせてしまうと、せっかくのシリコン塗料の耐用年数を活かすことができなくなってしまいます。

逆に、シリコン塗料の耐用年数にあわせると、今度はウレタン塗料の劣化が進行しすぎてしまいます。
雨漏りや外壁自体が傷むリスクが高まりますので、痛んだ塗装を放置することは避けた方がいいのです。

外壁の塗装に耐用年数分きちんと働いてもらい、塗装にかかる費用を抑えるためには、外壁、付帯部分、屋根の耐用年数をあわせ、一度に塗装が済むようにするのが理想です。

種類が豊富なウレタン塗料の付加価値

ウレタン塗料は、一昔前まで外壁塗装のメインとして使われていた塗料なので、非常に多くの種類が販売されています。
塗布する場所や用途によって多彩な種類から選べるので、ピッタリの塗料を見つけることができるでしょう。

さらに、塗料に様々な付加価値をプラスしたものも色々と開発されています。
ここからは、ウレタン塗料に付加されている色々な性能を見ていきましょう。

防藻、防カビ性能

幹線道路沿いの家や線路沿いの家では、振動により塗装にひびが入ることが懸念されます。
このような立地に建つ家の場合は、ひびの入りにくいウレタン塗料のほうが適していると言えるでしょう。

シリコン塗料の弱点は、塗膜が固くひび割れを起こしやすいことにあります。
たとえ小さな振動でも、長期間さらされることでひび割れる可能性はかなり高いのです。

それから、木材のような湿度や温度により、膨張と収縮を繰り返す素材の塗装にもウレタン塗料は向いています。
膨張と収縮を繰り返すなら、振動と同じくひび割れのリスクが高まりますからね。

ひび割れのリスクが高い立地や素材の場合は、シリコン塗料よりウレタン塗料が向いているということです。

ツヤの調節ができる

ウレタン塗料は基本的に光沢のある塗料ですが、ツヤを消した仕上がりにできるタイプも販売されています。
ツヤの調節が容易にできることも、ウレタン塗料のメリットの1つなのです。

ツヤのない落ち着いた外壁は、家に高級感を与えます。
落ち着いた雰囲気の家に仕上げたい方は、ツヤ消しのウレタン塗料も検討してみるといいでしょう。

環境に優しい

ウレタン塗料の中には、環境への優しさを売りにしているものもあります。
環境に優しい塗料というのは、大気汚染や水質汚染に配慮した成分でつくられているということです。

むしろ最近では、環境に配慮していない塗料は少なくなってきています。
環境破壊が問題になっている昨今では、積極的に採用したい塗料ということができるでしょう。

このように、特別な付加価値が加えられている塗料がたくさんあるので、用途によってはウレタンの方が良いなんてこともあるでしょう。
塗装業者に相談して、最適な塗料を見つけるようにしてくださいね。

悪徳業者に注意

手抜き工事をする悪徳な業者では、約束していた塗料より安い塗料を使う手口が使われています。
たとえば、シリコン塗料を使う契約をしていたのに、実際はウレタン塗料を使われていたといった感じです。
塗料は素人が見ても種類の判別がつかないので、安い塗料を使って経費を削減しようとするのです。

本当に悪質な業者なら、さらにグレードの低いアクリル塗料を使うでしょうが、ちょっとでもごまかすためウレタン塗料が使われるということも十分考えられます。
いずれにせよ、作業前に塗料はチェックしておいた方がいいでしょう。

また、少し前まではウレタン塗料が一般的だったので、情報が遅れている業者ではウレタン塗料が最適と思っているケースもあるようです。

しかし、現在では耐久性と価格のバランスを考えたら、最もコストパフォーマンスが高いのはシリコン塗料です
ウレタン塗料ばかりを勧めてくる業者なら、シリコン塗料について質問してみるといいでしょう。

塗料のご相談ならニシムラ塗装へ

ウレタン塗料は耐用年数が短いので、長い目で見るとそこまでオススメできる塗料ではありません。
やはり、外壁塗装に最適なのは、コストパフォーマンスにも優れるシリコン塗料ということになります。

とは言え、立地によってはウレタン塗料の方がいいという場合もあるのは事実です。
このことを考えると、どちらの塗料を使うべきかご自身ではなかなか判断が難しい場合もあるかと思います。

そこで、塗料に迷ったら苫小牧を中心に施工を行っている私たちへ相談してください。
苫小牧や千歳、室蘭で実績が多数あるため、地域の特性や立地に合わせた最適な塗料をご提案できます。
もちろん、あなたのご要望どおりの塗料をご提案することもできますので、一度相談だけでもしてみてください。