外壁塗装のリフォームを考えるなら、できるだけ安く長持ちする塗装を実現したいものです。
外壁塗装は長期間建物を守る役割があるので、価格だけでなく耐久性も考慮して塗料や業者を選ばなければいけません。
外壁塗装が長持ちしてくれれば、それだけ塗り替えの頻度を少なくできるので経済的にもなります。
そんな価格と耐久性の両立ができる新しい塗料が、ラジカル制御型塗料です。
ここでは、ラジカル制御型塗料の基本的な情報を詳しく紹介していきたいと思います。
目次
ラジカル制御型塗料とは？
少し難しい話になりますが、外壁塗装におけるラジカルとは、塗料が紫外線と反応することにより発生する劣化因子のことを指します。
このラジカルの発生を制御できる塗料が、ラジカル制御型塗料と呼ばれています。
ラジカルの発生源は、白色顔料である酸化チタンです。
酸化チタンは、淡い色の外壁用塗料にはほとんど含まれているため、多くの塗料がラジカルの影響で劣化が早まってしまっています。
そこで、開発されたのが、ラジカル制御型酸化チタンです。
ラジカル制御型酸化チタンは、表面にバリア層を持っており、紫外線と反応して発生したラジカルを閉じ込めることができます。
また、ラジカル制御型塗料には、ハルスという光安定剤も配合されています。
ハルスには、ラジカルを捕まえ働きを抑制する機能があります。
そのため、ラジカル制御型酸化チタンのバリア層からラジカルが漏れ出しても、劣化を防止することが可能というわけです。
このように、劣化因子であるラジカルの発生を抑制する塗料を総称して、ラジカル制御型塗料と呼ばれています。
ラジカル制御型塗料の主成分
一般的に外壁塗装に使われるシリコン塗料やウレタン塗料は、主成分がそのまま名前となっています。
たとえばシリコン塗料なら、シリコンが主成分という感じですね。
一方でラジカル制御型塗料は、塗料の名前が主成分を表していません。
どのような樹脂が主成分になっていようと、ラジカルの発生を制御できる塗料全てがまとめられて、ラジカル制御型塗料と呼ばれています。
つまり、ラジカル制御型塗料の中にも様々なグレードが存在しているということです。
フッ素塗料がベースとなるラジカル制御型塗料は、シリコン塗料がベースとなるものに比べてより高機能ということです。
ただし、その分価格が高くなることは言うまでもありません。
基本的に、ベースとなる塗料より少し高い価格になると考えておけば間違いないでしょう。
ラジカル制御型塗料の特徴
ラジカル制御型塗料は、高い耐久力をリーズナブルに実現できる塗料です。
ここでは、ラジカル制御型塗料の特徴を詳しく紹介していきましょう。
耐候性が非常に高い
ラジカル制御型塗料は、紫外線による劣化の原因となるラジカルの発生を抑制してくれます。
劣化のメカニズムに対して直接対策を施しているため、非常に高い耐候性を実現してくれるでしょう。
一般的なシリコン塗料の場合、外壁塗装の寿命は10年程度といわれています。
一方、ラジカル制御型塗料は、同じシリコンがベースの塗料でも13年程度は持つと言われているのです。
もちろん、劣化対策しているとは言え、永久に塗装が持つというものではありません。
いずれは、外壁塗装を実施しなければならないのは、どれだけ高機能な塗料を使っても同じことです。
ラジカル制御型塗料なら、塗りかえる回数も少なくできるので、足場代や人件費の節約にも期待ができます。
耐用年数に対して費用が安い
ラジカル制御型塗料の最大の魅力は、コストパフォーマンスの高さにあります。
塗料に含まれる樹脂は一般的な塗料と同じもののため、価格の上昇は機能性の高い顔料を使うことによるもののみです。
僅かな価格上昇で耐久力が大幅に増すため、コストパフォーマンスが非常に良い塗料といえます。
たとえばシリコン塗料と、シリコンがベースのラジカル制御型塗料を比べると、価格は1㎡あたり400円～800円程度の増加で済みますが、寿命は3年～6年程度も伸ばすことができます。
少し施工費用は高くなりますが、1年当たりにかかる金額を考えると割安といえるでしょう。
ただし、フッ素塗料がベースとなっているラジカル制御型塗料は非常に高額になる可能性が高いです。
フッ素塗料はもともと高価なため、フッ素ベースのラジカル塗料では費用の安さを実感することは難しくなるでしょう。
とは言え、その分フッ素塗料が強化された形となるので、普通のフッ素塗料やシリコンベースのラジカル制御型塗料よりも高性能です。
より外壁塗装を長持ちさせたい場合は、活用を検討してみるのもいいかと思います。
光沢があり汚れに強い
ラジカル制御型塗料は、光沢のある塗料が多く汚れに強いという特徴があります。
汚れも塗装の劣化の原因となるため、汚れに強いという特徴は、ラジカル制御型塗料の耐久性をさらに高めることに役立ってくれるでしょう。
また、余り汚れないため、お手入れが楽な所も嬉しいですね。
さらに、多くのラジカル制御型塗料が、防藻・防カビ性能を持っています。
汚れに強い上、コケやカビの発生も防いでくれるので、長期間美しい外観を保ってくれるのです。
もちろんラジカル制御型塗料の中にも、ツヤ消しのタイプは販売されています。
しかし、ツヤ消しタイプの場合、ツヤ消し剤が配合されていることにより、若干ですが耐久力が落ちる傾向にあります。
また、ツヤのある表面より汚れにも弱くなるので、その点も考慮した上で採用する必要があるでしょう。
下地を選ばない
ラジカル制御型塗料は、ほとんどどのような外壁材にも塗装できます。
外壁材として普及率の高い窯業系サイディングはもちろん、金属サイディングやモルタル、コンクリート、木材、ALCパネルなど、現在出回っているほとんどの外壁材に問題なく塗装できるのです。
下地と塗料の相性が悪ければ、せっかく塗装してもすぐに剥がれてしまうおそれがあります。
ラジカル制御型塗料なら、そんな心配とは無縁というわけですね。
また、ラジカル制御型塗料は伸びが良い塗料で作業性に優れています。
作業性に優れるということは、それだけ工期を短くすることができるということです。
もしかしたら、工期が短縮できることにより人件費を削減できる効果にも期待できるかもしれません。
もちろん、塗装が難しい塗料に比べ、綺麗な見た目に仕上げやすくもなります。
ラジカル制御型塗料を採用する際の注意点
ラジカル制御型塗料は、比較的安く高い耐久性を確保できる家計に優しい塗料です。
しかし、いくつか注意点があるため、ラジカル制御型塗料を検討しているなら注意してください。
ラジカル制御型塗料で注意すべき点は、以下の通りです。
誕生したばかりで実績が少ない
ラジカル制御型塗料は、新しくできた塗料なので施工事例がまだまだ少ないです。
多くの人が使っている塗料ではないため、不安に感じる方もいるかもしれませんね。
さらに、誕生して10年も経っていないため、実際の建物で本当に長持ちするかは検証されていません。
実際に外壁に塗装して15年経過した実績がまだないので、耐用年数については未知数の部分があることは否めません。
とは言え、大手塗料メーカーからも、続々とラジカル制御型塗料は販売されています。
実験により耐久性などのテストは実施しているので、機能面で心配することはないでしょう。
それから、情報に疎い業者の場合、ラジカル制御型塗料の存在を知らないこともあるようです。
このような業者にラジカル制御型塗料を希望しても、話が進まないことも考えられるので注意が必要です。
外壁塗装業者の中には、ホームページなどで取り扱い塗料を紹介しているところもあります。
ラジカル制御型塗料を挙げている業者に相談すれば、話がスムーズに進むと思いますよ。
濃い色では機能しない
ラジカル制御型塗料は、白色顔料である酸化チタンからのラジカル発生を抑えることで耐候性を高めています。
そのため、酸化チタンが含まれない黒のような濃い色の塗料には、機能を持たせることが不可能なのです。
とは言え、酸化チタンが含まれていない塗料においては、そもそもラジカルが発生しません。
そのため、ラジカルの発生とは関係なく、耐久性は主成分の樹脂の種類に依存することになります。
濃い色で高い耐久性を実現したい場合は、グレードの高いフッ素塗料などを選択することで、より耐久性を高めることが可能です。
塗装は実績のある業者が無難
ラジカル制御型塗料は、誕生して間もない塗料です。
施工実績もまだまだ少ないため、ラジカル塗料を扱ったことのない塗装業者も少なくありません。
このような業者にラジカル制御型塗料の塗装を依頼するのは、少し不安が残りますよね。
ラジカル制御型塗料で外壁塗装を検討しているのなら、過去に実績のある業者を選ぶことが重要となるでしょう。
過去にラジカル制御型塗料を扱ったことがある業者なら、正しい知識でアドバイスしてくれると思います。
もちろん、施工においてもラジカル制御型塗料に詳しい業者の方が安心して任せることができますね。
塗料の知識が不足していれば、どれだけ技術力があっても間違いが起こる可能性は高まってしまいます。
不要なトラブルを避けるためにも、実績のある業者を探してみてください。
ラジカル制御型塗料もニシムラ塗装にお任せください
ラジカル制御型塗料のような新しい塗料では、悪徳業者が営業のネタにしているケースもあります。
認知度が低いことをいいことに、メリットばかりを並べて契約を取ろうとするのです。
このような業者と契約してしまうと、手抜き工事を行なわれてラジカル塗料が本来の耐久力を発揮できないことも考えられます。
また、悪徳業者は、ラジカル制御型塗料と偽って、質の悪い塗料を影で使うことも考えられます。
そのため、ラジカル制御型塗料での外壁塗装は、塗装実績の多い信頼できる業者に依頼しなければなりません。
私たちニシムラ塗装は、苫小牧を中心に室蘭、千歳周辺でラジカル塗料の外壁塗装も実施してきました。
豊富な知識や実績から、あなたのお宅にとって最適な外壁塗装が提案できるでしょう。
もちろん、どんな些細な質問にも親身にお答えいたしますので、一度相談だけでもしてみてくださいね。
