外壁塗装のトラブルは多く、その解決方法で頭を悩ませておられる方も多いのではないでしょうか。
トラブルはリフォーム工事でよく起きることですが、外壁塗装は金額も大きく、早急な解決が求められます。
トラブル回避のために、なぜ、追加費用がかかってしまうのかについての知識も必要です。
また、外壁塗装業者に依頼する際に、後で問題が起きないよう気を付けるべきこともたくさんあります。
ここでは、外壁塗装のトラブルの事例を見ながら、うまくトラブルから抜け出す方法、第三者機関への相談や契約書の取り交わしについて説明していきましょう。
目次
- 追加請求で見積価格より高額になる原因
- 外壁塗装でよくあるトラブルの事例
- 外壁塗装のトラブル解消機関
- トラブルを未然に防ぐ契約書の作成とクーリングオフ
- 外壁塗装はトラブルを起こさない業者に依頼しましょう
追加請求で見積価格より高額になる原因
外壁塗装などのリフォーム工事において、追加工事が発生することはよくある話です。
外壁塗装の場合は、外壁に亀裂が見つかったり、塗膜のはがれから錆が発生していたり、目地剤のコーキング劣化が激しかったりすれば追加工事になる可能性が高いです。
業者に悪意がなくても、適切な塗装をするために、追加料金がかかってしまうことがあることを認識しておいてください。
ただし、優良な業者は追加工事が発生する場合は、必ず事前に確認してくれます。
そのため、勝手に追加料金が発生することは、基本的にはありませんので安心してください。
結果的に割増料金が請求される事例に、下記のような塗装の下地処理による費用があります。
外壁のヒビ割れ補修
外壁にヒビ割れがある場合は、修復しなければ上から塗装できません。
補修しないで塗装しても、外壁塗装の防水効果を発揮することはできないため、追加の修繕費が発生するおそれがあります。
塗装表面の劣化が壁材内部の腐食にまで及ぶと、外壁材の張替えや下地材の取り換えなどの大工事になり、将来的に費用がかかることになるので注意してください。
サイディングの「コーキングの打ち替え」補修
近年の住宅は、セメントに繊維質を加えた「窯業系サイディング」と呼ばれる外壁ボードを工場で生産し、現地で貼り合わせる建築様式が多くとられています。
このボードのつなぎ目には「コーキング」と呼ばれる目地剤が使われ、雨水の侵入を防いでいます。
しかし、コーキングが経年劣化で痩せたり、ヒビ割れしたりして剥がれたりするとそこから雨水が侵入します。
サイディングボードは湿気を吸って反ったり外れたりするため、コーキングの定期的な補修が必要です。
コーキングがやせてきた場合は、シーリング材を補充して「打ち増し」しますが、劣化がひどい場合は「打ち替え」作業が必要です。
「コーキングの打ち替え」では、古い目地剤を取り除いて作業するため、「コーキングの打ち増し」よりも費用がかかります。
外壁塗装でよくあるトラブルの事例
外壁塗装は、リフォーム工事の中でもトラブルが起きることが多く、ネット上でも多くの書き込みが見られます。
実際に、外壁塗装のどの様なことがトラブルになっているのか、事例を見ながら事前に対策をとる必要があるでしょう。
外壁塗装の塗りムラのトラブル
外壁塗装の目的は、建材を塗膜で覆い紫外線や豪雨、強風によるダメージから住宅を守ることです。
強固な塗膜を形成するため、外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」と、それぞれ適切な塗料を3回にわたって塗り重ねます。
外壁塗装のトラブルの例では、そもそも3回塗りをしていない手抜き工事があります。
また、業者に、塗料に対する知識が浅く技術がない場合は塗りムラができ、単に見た目に悪いだけでなく、塗装の耐久年数も短くなってしまいます。
トラブルを回避するには、最初に塗装業者と使用する塗料や施工の仕方について、しっかりと打ち合わせをすることが大切です。
塗装後に、目視で明らかな塗りムラがあれば、塗り直しを業者に要求することも可能です。
その場合、足場を組み直すには費用が高額になるため、足場を外す前に施工業者と一緒に塗装状態を検収することが重要です。
外壁のサビを除くケレン作業の不十分からくるトラブル
鉄部塗装でサビが出ている場合は、ケレンという下地処理が必要です。
サンドペーパーやスクレイパーを使って、手作業でサビを落とさなければなりません。
塗装業者がケレン作業を怠って、塗装後すぐにまたサビが発生するトラブルはよくある事例です。
サビを表面から取り除かなければ、表面に新しく塗料を塗っても耐用年数は短くなってしまいます。
また、ケレンで鉄部のサビを研磨した後に、サビ止め塗料が適切に塗られていないケースもあります。
トラブルを回避するには、塗装前に鉄部の劣化度合いやケレン作業にかかる費用を、十分に業者と打ち合わせすることが必要でしょう。
塗装後にすぐにまたサビが出た場合は、日付の入った写真を撮るなど記録に残しておくことが大切です。
狭い敷地での足場設置トラブル
建物が密集している地域では家同士の距離が近いため、外壁塗装工事の足場を組むために、近隣住宅の敷地を借りなければならないケースがあります。
民法では、建物の修繕工事で必要な場合は、最低限の範囲で隣の家の敷地に入ることを願い出て良いことになっています。
トラブルになるのは、「業者が隣地の住人に許可なく隣接する敷地を使ってしまった」「作業中に勝手に隣接する家の屋根に上がってしまった」といった事例です。
工事を下請け業社に委託する塗装会社も多く、常識を欠いた業者に頼んでしまっていた場合、結構ありがちなトラブルです。
無許可で隣地に立ち入って、何かを壊したり瓦をずらしたり破損したりすることで、近隣住人との関係が一気に悪くなることもあります。
外壁塗装は定期的に行わなければならないため、ご近所との関係が悪化しないよう、適切に対応してくれる良識のある業者を選ぶことも大切です。
悪徳業者による不正請求のトラブル
外壁塗装は、外壁面積や使う塗料のランクによって大きく金額が異なるために、相場を把握しにくいリフォーム工事です。
相場がわからないため、悪徳業者に不正な価格を請求されることがあります。
例えば、以下のような例が挙げられます。
- 見積価格を下げるため品質の悪い安い塗料を使い、数年で劣化する
- 高価な塗料を無理に勧めておき、結局は品質を下げて手抜き工事をする
- 補修工事を勝手にして、工事後に高額の追加費用を請求する
大規模災害時には全国から悪徳業者が集まり、突然訪問してセールストークで高額な契約をとろうとすることがあるため、特に注意が必要です。
下請け業者に委託することで起きる費用の上乗せとトラブル
外壁塗装は専門性の高い作業のため、大手リフォーム会社や工務店では工事を行う職人がおらず、下請けの外壁塗装業者に委託する場合がほとんどです。
このようなケースでは仲介料として中間マージンを取るため、依頼者が払う金額はその分高くなります。
塗料の種類も、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などと色々あり、耐用年数の長い良質な塗料では、専門的な知識や技術が必要です。
高品質なフッ素塗料に高額な費用を払っても、下請け業社の職人の技術がなければ、塗装してもすぐに剥離してくるトラブルもあります。
外壁塗装を依頼する際には、委託ではなく全ての工事を自社で行う、外壁塗装専門の業者であるかを確認しましょう。
打ち合わせ、塗装工事、工事後の立会い点検など、一人の担当者が付く体制の会社であれば、中間マージンや手抜き作業の心配が少ないと言えます。
外壁塗装の色の選択でのトラブル
外壁塗装においては、思い描いていたイメージと実際の色の仕上がりに違いがあり、クレームに発展することが多々あります。
塗料のカラーサンプルが小さい場合、色見本と外壁全体に塗ったイメージとの間に「面積効果」と呼ばれる色の錯覚が生じます。
これが、「色がイメージと違う」というトラブルの大きな原因です。
そのため、色を選ぶときは少なくともA4サイズの見本を取り寄せて、家の外で朝・昼・夜の色味を確認してから決めましょう。
また、奇抜な色になりすぎて、周囲の住人から苦情が出ることもあります。
外壁塗装が終わった後では塗り替え費用は自費になるため、トラブル回避のためにも色選びは最も慎重にすべきポイントです。
業者による外壁塗装の塗料の色違い
あってはいけないことですが、業者が色を間違えることも稀にあります。
この場合は、図面や打ち合わせ記録をもとに、色間違えの現状を正しく伝える必要があります。
塗料の色番を打ち合わせできちんと伝えているか、見積書や契約書に正確に記載されているか、依頼した時点での確認が必要です。
また、足場を外す前に業者と一緒に点検し、依頼した色であるかを確認しましょう。
外壁塗装工事の近隣住人への配慮の欠如によるトラブル
外壁塗装工事では、足場を組む際の騒音や塗料の飛散、臭いの問題などで、近隣住民とのトラブルに発展してしまうことがあります。
工事前の近隣住人への挨拶や通知、問題が起きた時の対応やお詫びが不十分だったために、塗装工事が原因で近隣住人との関係が悪化するケースです。
業者によって異なりますが、一般的には工事開始の1週間前までには、外壁塗装業者が近隣の方々に工事日程のチラシや粗品を配ることが多いです。
工事内容や期間、土日の作業の有無、工事車両の移動時の騒音や作業員の掛け声、塗料が臭う期間などを知らせて、住民の理解を得るようにしてください。
騒音や飛散トラブル
昼間でも在宅者の多い住宅地では、足場の設置や解体からくる騒音のクレームがトラブルに発展する事例が多いです。
また、塗料が近隣住宅や車に飛び散り付着してしまい、深刻なトラブルになることもあります。
塗装業者は飛散防止シートを張り、塗料が飛散してしまった場合は、業者が加入している「請負業者賠償責任保険」で対応するのが基本です。
近隣住人からクレームが出た場合は、速やかに外壁塗装業者に報告し、大きなトラブルになる前に業者に対応をしてもらいましょう。
塗装業者を選ぶ際は費用の面だけでなく、スムーズなコミュニケーションが取れるか、対応の良さも含めて判断することが重要です。
外壁塗装のトラブル解消機関
第三者機関に依頼する方法
外壁塗装のトラブルは多く発生しており、第三者機関に相談して客観的なアドバイスを受けることをおすすめします。
外壁塗装のトラブル解消窓口としては、「国民生活センター」や「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」があります。
「国民生活センター」は、売買契約や住宅関連トラブルの専用相談窓口として、国土交通大臣より指定を受けている機関です。
「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」も、国土交通大臣から指定を受けた公益財団法人で、住宅専門の相談窓口です。
電話相談サービス「住まいるダイヤル」で、全国どこからでも、住まいに関するトラブルの相談を受け付けています。
資格を持つ相談員が、住宅相談に関する最新情報に基づき、技術的・法律的な相談に対応してくれるでしょう。
また、電話での助言のほか、各都道府県の住宅紛争審査会の弁護士・建築士の面談を仲介してくれます。
被害の額が大きく、交渉に専門的知識が必要な場合は、弁護士や建築士に相談してすることも、一つの選択肢です。
外壁塗装トラブル解消のための手順
外壁塗装のトラブル回避と解消には、下記のような手順が必要です。
- 契約書を交わし、内容や費用、工期を取り決め、見積書と異ならないか確認
- 問題点を確認したら、施工業者と出来るだけ話し合いの機会を持つ
- それでも解決が難しい時は、公平な立場で判断できる第三者機関に相談する
- 第三者に相談する前に被害の状況を把握して、しっかりと記録に残す
トラブルに発展した場合も、慌てず一つ一つ手順を追って解決まで進んでいきましょう。
専門家に相談する際の準備
外壁塗装のトラブルには、様々な状況があります。
そこで第三者に相談する際に、トラブルの内容や要点をまとめる必要があります。
例えば、外壁塗装リフォーム工事では
- 足場が組まれたままで、工事が一向に進まない
- 塗料が飛散して他の部分が汚れてしまった
- 塗装工事に関して、近所から苦情が出た
- 目視で確認しても、適切な塗装が行われていない
- 施工後、すぐに塗膜がはがれてきた
- 先払いをしたら業者に逃げられた
などの様々な問題が発生します。
専門家に相談する際には、まず上記のような内容に関して、自分で正しい状況把握をすることが大切です。
塗装前の外壁の状況や、塗装後の問題点、足場や塗料の飛散で起きた被害内容などを、正確に伝えられるよう準備してください。
第三者機関への相談では、トラブルが起きた経緯と内容をメモし、相談内容を事前に文章にまとめ、写真や契約書、資料なども準備します。
弁護士や建築士などの専門家への相談は無料でも受け付けてくれますが、1時間の時間制限があるため、状況を簡潔に正しく伝えることが大切です。
トラブルを未然に防ぐ契約書の作成とクーリングオフ
契約書の作成依頼
通常、外壁塗装を業者に依頼する際は、取り決め事項を記載した契約書を交わします。
部分的な補修作業では、見積書だけで契約書が交わされない場合もありますが、足場を組んで行うような外壁塗装はリフォーム工事にあたります。
リフォーム業者は行政で管理されており、リフォーム工事においては契約書を交わすことが義務付けられています。
そのため、業者側は契約書の作成を拒否できません。
契約は口頭でも成立しますが、契約書がなければどのような約束事も、「言った」「言わない」の水掛け論争になってしまいます。
外壁塗装のリフォーム工事を依頼する人は、契約書がなければ、トラブルが起きた時に、自分の身を守れなくなることを認識しておいてください。
契約書の内容
外壁塗装においては、契約内容と違う工事が行われていないかを判断するため、事前に契約内容を確認しておく必要があります。
工事内容に不明な点はないか、金額が見積書と一致しているか、工期はどうなっているか、などの点について確認します。
災害後に訪問営業などで無理やり契約書を交わされてしまった場合は、クーリングオフ制度が利用できるため、国民生活センターなどで相談しましょう。
クーリングオフとは、契約した日から8日間以内に申請すれば契約の解除ができる法律です。
契約書を受け取った日から8日以内であることを証明するために、簡易書留や内容証明で申請する必要があります。
外壁塗装はトラブルを起こさない業者に依頼しましょう
外壁塗装においては、実際に多くのトラブルの事例があるため、それらを参考にしながら、できるだけ早い時点で問題の解決に取り組まなくてはなりません。
塗装工事から時間が空いてしまうと、それだけ証拠を揃えるのが難しくなってしまいますからね。
とは言え、最も理想的なことは、トラブルに発展しないことでしょう。
外壁塗装でトラブルを回避するには、塗装の基本的な知識を持ち確認することと、優良な業者と十分なコミュニケーションをとり進めることが大切です。
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