今お住まいの建物の外壁の塗装は、どのくらいの耐用年数があるかご存知でしょうか?
外壁は定期的に再塗装が必要ということを知っていても、再塗装のタイミングを見計らうのはなかなか難しいものです。
塗料には、それぞれ耐用年数が設定されています。
そのため、耐用年数の持つ意味を知っておけば、再塗装の判断をする際に参考になるでしょう。
気が付いた時には耐用年数を大幅に過ぎていて、「雨漏りなど外壁に深刻な不具合が発生していた」ということもあります。
そんなことにならないよう、耐用年数について知識を身に着けておきましょう。
目次
- 外壁塗装の役割
- 耐用年数とは?
- 主な塗料の特徴と耐用年数の目安
- 耐用年数と実際の劣化スピードの違い
- 耐用年数を過ぎた場合の対処方法
- 塗装を長持ちさせるには?
- 塗装のタイミングを決めるポイント
- 外壁塗装の劣化が気になったらニシムラ塗装にご連絡ください
外壁塗装の役割
家を守る役割を持つ外壁ですが、外壁自体は防水性がないものが多いです。
そのため、そのままでは雨が浸み込んでいってしまいます。
そこで、塗料を塗ることで「塗膜」と呼ばれる膜を作り、防水機能を持たせています。
塗膜が剥がれてしまうと外壁は無防備になるため、容易に下地へ雨水が浸入してしまい、雨漏りへとつながってしまいます。
そこで、塗膜の劣化状態を把握し、適切なタイミングで再塗装をすることで外壁を守ります。
外壁を塗装した塗料がどのくらいの耐用年数かを知っておくことで、劣化のサインを見つけやすくなります。
耐用年数とは?
外壁は「10年に1度塗り替える」と一般的には言われています。
しかしこれは、かなりざっくりしたイメージです。
実際は塗料ごとに耐用年数が異なっており、塗料のメーカーは目安として塗料ごとの耐用年数を公表しています。
では、耐用年数はどうやって決められているのでしょうか?
開発された塗料を実際の住宅に塗って経過を観察する、という方法は途方もない時間がかかり現実的ではありません。
そこでメーカーでは、屋内で実験機を使って人工的な紫外線や水分を当てて負荷をかけて劣化の様子を観察します。
いわば机上の数値となっているため、メーカーの公表する耐用年数はあくまでも目安といえます。
また、新築時の建物への塗装を前提にしており再塗装を考慮したものではありません。
そのため、実際の耐用年数と誤差があったり、下塗り剤との相性で耐用年数が変わったりする場合もあります。
主な塗料の特徴と耐用年数の目安
塗料はベースとなる樹脂によって、いくつかの種類に分けられます。
主な種類は次の通りです。
ウレタン系塗料
- 柔軟性があり、密着度が高い塗料。
- 施工が容易だが、紫外線や水に反応しやすく劣化しやすい。
- 油性と水性があり、耐久性が低いが手間のかからない1液型と硬化剤と混ぜ合わせる2液型がある。
シリコン系塗料
- 耐用年数7~10年。
- 現在一番流通している塗料。
- 耐久性のわりに価格が安く、コストパフォーマンスが良いため人気がある。
- 防汚性が高く光沢が長持ちする。
- 柔軟性のあるウレタン系と比較するとひび割れを起こしやすいのが難点。
ラジカル制御形塗料
- 耐用年数8~12年。
- 塗膜の劣化の原因となる「ラジカル」の発生を抑える機能を持った塗料。
- 紫外線による劣化に強い。
- シリコン系以上の耐久性がありコストパフォーマンスがよい。
- 開発されてからまだ5年余りで実績が少ないため、取り扱っていない業者もある。
フッ素系塗料
- 耐用年数10~15年。
- 蛍石を原料としたフッ素系樹脂を使った塗料。
- 耐久性がとても高く、ビルの外壁などにも使用されている。
- 耐久性が高い分価格も高め。
- 扱いがやや難しく、職人の技量により仕上がりに差が出てしまう。
無機系塗料
- 耐用年数15~20年。
- セラミックやケイ素などの無機物を主原料とした塗料。
- 無機物は紫外線で劣化しにくく、耐久性はトップクラス。
- 一概に無機系塗料といっても成分は様々で、耐久性が高くないものもあり注意が必要。
- 他の塗料と比べて価格が高い。
耐用年数と実際の劣化スピードの違い
塗装の耐用年数は、実際のところはカタログ上の年数とかなり違いがあります。
その原因は、塗装の劣化が建物の立地条件に大きく左右されるからです。
塗装の劣化のスピードを速める要素は、主に紫外線や空気中の物質です。
具体的には以下のようなケースが考えられます。
- 沖縄など、日差しが強く年間の日照時間が多い地域
- 海岸沿いの地域
- 車通りの多い地域
- 日当たりの良い建物
これらの立地では、劣化のスピードが早まります。
そのため、耐用年数よりも早めに塗り替えを検討した方がよいでしょう。
特別な立地でなくても、耐用年数に関わらず劣化の兆候が見られたら再塗装を検討します。
塗装が劣化しているかどうかは、見た目で把握しやすいので覚えておきましょう。
- 変色・退色
- チョーキング現象
- コケ・カビ
- ひび割れ(クラック)
- 塗膜の反り、浮き、剥がれ
これらの兆候が見られたら、塗装の劣化が始まっていると考えられます。
耐用年数を過ぎた場合の対処方法
耐用年数はあくまでも目安なので、耐用年数を過ぎたからといって、必ず問題が発生するわけではありません。
しかし、気が付かないうちに外壁の傷みが進んでいる可能性はありますので、まずは専門業者にチェックしてもらうのが良いでしょう。
耐用年数を過ぎてしまい、塗装に劣化が見られた場合には、まずは補修と再塗装を検討します。
もし補修で補えないほどの傷みであれば、外壁のカバー工事か張り替えを検討することになります。
外壁材にもよりますが、まったくメンテナンスしていない外壁であれば、20年程度で寿命を迎えてしまうこともあります。
定期的にメンテナンスをしていたとしても、例えば窯業系サイディングの場合は30~40年程度が寿命です。
年数が経っている建物は、再塗装の他にカバー工法や張り替えが選択肢に入ってきます。
塗装を長持ちさせるには?
メーカーの想定している耐用年数に近い効果を発揮するには、塗装を長持ちさせられるような施工をする必要があります。
環境に合った塗料を選択する
塗料には、外壁材との相性があります。
たとえばモルタルの外壁では、クラック(ひび割れ)が発生することを考慮すると、弾性を持った塗料が適しているでしょう。
窯業系サイディングで表面に特殊な防汚加工がされている場合は、そのままでは塗料が付着しないため、付着させるための下塗り材を使う必要があります。
塗料メーカーは、当然そういった事例は把握しており、塗料の仕様書にはきちんと書かれています。
このような仕様を、施工する業者が外壁材を見極めて適した塗料を提案できるかどうかがポイントです。
立地条件によっても、適した塗料が違ってきます。
風が強い場所、海が近い場所、周りに日差しを遮るものがなく直射日光を浴びやすい場所、風通しが悪く湿気がこもりやすい場所、などその家の立地によって、外壁が受ける影響は大きく異なります。
外壁を劣化させる要因の主なものは、紫外線と水分と風圧です。
環境を把握し、劣化の原因をできるだけ減らすような塗料を選択することが、塗装を長持ちさせることにつながります。
「紫外線の影響を最小限にする」「汚れをつきにくくする」「錆びにくくする」など、どんな機能を重視するかを念頭に置いて、塗料を選択するとよいでしょう。
下地処理を丁寧に行う
「外壁塗装の仕上がりは下地処理にかかっている」と言っても過言ではないくらい、塗装前の下地処理は大切な工程です。
壁についている汚れや古くなった塗膜をはがすケレン作業は、人の手で行うため手間がとてもかかります。
外壁の汚れ具合を確認しながらサンドペーパーやブラシ、電気工具を使い分けて綺麗に掃除をします。
この工程を丁寧に行うことで、塗装の密着度が高まり、塗膜の寿命を長持ちさせることができるのです。
ケレン作業の次には、高圧洗浄で隅々まできれいにホコリや汚れを落とします。
高圧洗浄では、しっかり乾燥させることも重要なポイントです。
湿気が残ると、塗装が剥離しやすくなってしまいます。
下地処理の差は、塗装後数年経ってから違いが出てきます。
早く、安く、塗装を済ませようとした結果、塗装の寿命を縮めてしまい、再塗装の時期を早めることになるケースも少なくありません。
費用や時間がかかっても下地処理を入念に行うことで、塗装を長持ちさせることができます。
塗装工事を丁寧に行う
塗装の施工は人の手で行います。
そのため、職人の技量で仕上がりに大きく差が出ます。
塗りムラがあると、塗膜の薄い面ができてしまい、そこだけ劣化しやすくなります。
施工不良で通気性が悪くなり、雨漏りしてしまうこともあります。
豊富な知識と経験を持っている業者であれば、状況に応じた適切な塗料や工法を選択することができ、施工不良を防ぐことができるでしょう。
塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りの工程が基本です。
悪徳業者は、3回塗りが必要なところを2回で済ませてしまうことがあります。
塗膜は適切な厚みで効果が長持ちするため、薄い塗膜では耐用年数を大きく下回る年数しか持たなくなってしまいます。
他にも塗料を薄めて使用したり、注文したランクより安いランクの塗料を使用するようなケースもあります。
そうなると、せっかく塗り直しても、すぐに剥がれてしまったり、劣化が速まったりしてしまいます。
このような手抜き工事は、なかなか素人では見抜くことが難しいです。
悪徳業者に騙されないよう、信頼できる業者を探すことも塗装を長持ちさせる大切な要素です。
塗装のタイミングを決めるポイント
塗装を検討する場合には、塗料の耐用年数と合わせて考慮したいポイントがあります。
建物の耐用年数を考慮する
まず、外壁は建物の一部なので、建物の寿命を念頭に置いておく必要があります。
もしその家にあと30年住みたいのであれば、いますぐ塗装をしたらあと1回は塗装が必要になってくるでしょう。
逆に、あと5年しか住む予定がないのであれば、塗装をしないで住み続けるという選択肢も出てくるかもしれません。
建物があと何年持つのか、またそこに何年住みたいのか、長期的なプランを立ててみましょう。
外壁材の耐用年数を考慮する
塗装には耐用年数がありますが、外壁材自体にも耐用年数があります。
モルタルは30年、サイディングは40年、ALCボードは50年などと言われています。
たとえば、40年持つサイディングであれば、10年ごとに塗装して、40年目の時には塗装でなく外壁の交換をするというプランが立てられます。
あと10年くらいで寿命を迎えるという劣化具合の外壁に、20年の高耐久性の塗料を塗る必要はないでしょう。
外壁材の耐用年数を知った上で、塗料を選択したり、塗装のタイミングを検討したりするとよいでしょう。
コーキングの耐用年数を考慮する
コーキングは、外壁を守る大切な役割を持っています。
そして、コーキングにも耐用年数があります。
一般的なコーキングの寿命は、5~10年程度です。
長寿命なコーキング材もあり、20~30年程度持つものもあります。
外壁の塗装がそれほど劣化していなくても、コーキングが劣化していたら、再塗装をした方がよいでしょう。
また、再塗装の際には塗料の耐用年数に合わせたコーキング材の選択が重要です。
防水工事、屋根工事との組み合わせを考慮する
外壁の塗装工事とよく組み合わせて工事されるのが、屋根塗装やベランダの防水工事です。
一番の理由は足場を組むのに手間と費用がかかるため、一度で済ませた方がコストダウンになるからです。
もし近いうちに屋根塗装が必要になるのであれば、外壁塗装とタイミングを合わせてしまうのも、ひとつの方法です。
塗り替え周期によって塗り替え回数が変わる
今の家にあと30年住むと仮定した場合に、10年の耐用年数の塗料で再塗装を繰り返した場合には、今回、10年後、20年後と計3回の塗装が必要になります。
15年の耐用年数の塗料を使えば、今回と15年後の2回で済みます。
このように、何年周期でメンテナンスをするのかで、塗り替え回数が変わり、メンテナンスのコストにも大きく影響が出ます。
塗料の耐用年数を知っておき、ベストなメンテナンス計画を立てられるようにしましょう。
外壁塗装の劣化が気になったらニシムラ塗装にご連絡ください
外壁の塗装には寿命があり、適切なタイミングでメンテナンスしていく必要があります。
タイミングの見極めは塗料の耐用年数が目安になりますが、実際は環境によって大きく差が出るため、劣化のサインを見逃さないことがポイントです。
ただ、耐用年数通りに劣化しないこともあるため、一度プロの目で見てもらう方がいいでしょう。
外壁塗装は悪徳業者も多いため、訪問販売でやってきた営業マンの言うことをうのみにしないでください。
訪問販売が来て不安になったのなら、地元の信頼できる塗装屋に相談することをオススメします。
もし、外壁塗装の劣化が気になり始めたのならニシムラ塗装にご連絡ください。
私達ニシムラ塗装は、苫小牧市を中心に営業する地域密着の塗装会社です。
あなたの住宅を長持ちさせるため、最適なご提案をいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。